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【映画感想】『犬王』 -自らの物語を失ってしまった者たちの物語 | PLANETFORM

【映画感想】『犬王』 -自らの物語を失ってしまった者たちの物語

湯浅政明・監督


室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

(『犬王』公式ホームページより)
湯浅政明・監督

感想



映画『犬王』は、実在の能楽師犬王をモデルに〈能楽〉をミュージカルとしたアニメーション長編作品だ。

主人公の犬王は、足利義満の時代、観阿弥・世阿弥とともに、南北朝~室町時代を生きた能楽師であるが、彼が描いた作品は、現在にまでいっさい残されておらず、謎に包まれた人物とされている。




※以下感想





面白いか面白くないかで聞かれたら面白くはなかったかもしれない…。

というより、人を選ぶ、といったほうが正しいか。


まずは良かったところから。

何といっても映像表現が素晴らしかった。目を引く色鮮やかな色彩や縦横無尽なカメラワーク、

今作は盲人の友魚が見る“目の見えない人の見る世界”という難しい表現の中、代わる代わる映像が変化するのだが、さすが湯浅監督。洗練されている。心地よく映像を見ていられる。

特に、物語半ばで初めて犬王が演目を披露する映像は迫力があった。

繰り返し見たくなる中毒性もある。

恐らく湯浅監督のファンは、期待通りの湯浅さんの唯一無二を体験できるだろう。

加えて、キャラクターデザインがとても好みだった。デザインは松本大洋さんですね。

正直今まで松本大洋さんの絵は苦手で避けていた。なので『ピンポン』、『鉄コン筋クリート』も残念ながら見られていない。

しかし『犬王』のキャラデザは何か目を引かれた。特に友魚の顔と服装、大好きだ。そして犬王の呪われた姿は、異形のものフェチの私からしたらとても素敵な造形だった。眼福。犬王が芸を身に着け呪いから解放されるのが残念であった程だ。犬王の仮面をとった顔は予想外すぎて笑えたが。



次に、気になった点について

主にストーリーだ。

ストーリー構成としては、映画前半は2人の主人公「犬王」と「友魚(ともな)」の幼少期が語られる。物語の背景を形作り犬王と友魚の出会いを描く大切なパートだが、どこか物語が平坦で、この時点で結構心が離れてしまった。

映画の中盤ほどでミュージカルパートに切り替わる。ここで始まる音楽が中々キャッチ―で、一気に映像へ引き戻された。

しかし、ミュージカルシーンが…長い……。

物語後半はほぼミュージカルパートといっても良いだろう。

本作は、目新しい犬王の音楽が大衆に支持され人気を博していく様子が一つの目玉であろう。だから音楽シーンは大切なのだが、いまいち音楽が私に合わなかったのか、または現代人には目新しく感じないロック調の音楽だったからかあまり乗り切れず…

観客である大衆と、その驚きを共感しきれなかったことが問題なのかもしれない。

とはいえ犬王と友魚の声優を務める女王蜂アヴちゃんと森山さんの歌声は素晴らしかったのだが…。


また、これは勉強不足だったせいもあるだろうが、作中物語の背景が深く語られず分かりづらい。

音楽シーンをもう少し減らして内容を深堀りしても良かったのでは、とも思う。

しかしここは、もしかしたら原作小説を読んでいれば理解が深まったのかもしれない。


原作は「語り」の力で虚実を超えた物語世界を構築する作家・古川日出男による「平家物語 犬王の巻」。




もう少し考察をしたかったが、私の知識量では考察しきれず、残念…。

小説を読んでリベンジしたい。







色々と文句を言ってしまったが、

それでも、恐らくこの映画は必ず誰かには刺さる映画だ。

誰かこの映画が突き刺さる方が見て、広めてほしいなと思える映画だった。




制作紹介

監督は湯浅政明(ゆあさ・まさあき)さん。代表作は『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話体系』『夜明け告げるルーのうた』等多数。国内外で独自の世界観を評価されている監督だ。

また、湯浅監督がかつてアニメ化した「ピンポン」の漫画家・松本大洋がキャラクター原案を手がけ、「アンナチュラル」の野木亜紀子が脚本を担当。音楽には「あまちゃん」の大友良英が参加し、物語に彩りを添える。

湯浅政明・監督



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