【書評】飯島都陽子『魔女のシークレット・ガーデン』の要約と考察/自然が彼女たちを魔女にした
魔女、と聞いて、どんな姿を想像するだろう。鉤鼻で黒い長衣をまとい、何やら怪しげな鍋をかき回し恐ろしい魔術を用いる、邪悪な女性だろうか。魔女の歴史を辿ると、それは誤解だということが分かる。かつての魔女とは、薬草に長けた現在でいう薬剤師のような、民間療法士だったそうだ。人々の病を治すために、今までの経験から知恵を生かし植物を用い薬を調合する、植物の四季の動きをはかるために、天を眺める大切な人を守るために、賢い女たちは自然を尊び、森の樹木や草花、生き物たち、過酷な天候を観察し、彼女たちは魔女になっていった。それは、自然が彼女たちを魔女にしたといっても過言ではない。