未来屋小説大賞

ミステリ

【書評】織守きょうや『花束は毒』の要約と考察/悪人は必ず罰せられるべきか

「僕」こと木瀬芳樹は、とても正義感の強い主人公です。従兄が虐められていることに気が付いたら、これ以上いじめられないように働きかけ、昔お世話になった大切な人の元に脅迫状が届いたら、自らのお金を使ってまで犯人調査を探偵に依頼します。「悪人を罰することは必ずしも人の役に立つ」「自分がして欲しいことは、相手もして欲しいことに決まっている」木瀬は、検事正である父親に倣い、悪を憎み、罪は正しく裁くを信念として行動をしています。それが絶対に正しい事なのだと信じて。それ以外の可能性があることを信じていない彼は、例外が起こったときにどういう対応をするのでしょうか。本書は、《罪を正しく裁く、という事はどんなに難しいか》考えさせられる作品です。
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