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【書評】植松三十里『帝国ホテル建築物語』の要約と考察/帝国ホテルを巡る熱き男たちの物語

愛知県の野外博物館・明治村には、多くの明治、大正時代の建物が移設、復元されて公開されています。まるで明治時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わいながら、四季折々の自然とどこかからか聞こえてくる汽笛の音を楽しみながら園路を進むと、最初に、石造りの重厚な建物と出会えます。それは帝国ホテル。温かい風合いの黄色いレンガの外壁と、大地にどっしりと構えるその姿、大谷石やテラコッタに彫刻された繊細な幾何学模様はかつて日本を代表したホテルとしての威厳を保ちます。現代の姿は中央玄関とロビー部分だけですが、それだけでも伝わる、このホテルには熱い歴史があります。帝国ホテルの初代支配人である林愛作、設計に関わったアメリカの巨匠フランク・ロイド・ライトと、その弟子であり将来著名な建築家となる遠藤新。帝国ホテルの建設に深く関わった男たちの物語が、本書では語られます。
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【要約】松田亜有子『クラシック音楽全史』 /クラシック音楽史を年表で解説。時代の変遷、代表的な音楽家まで

クラシックに多く触れる機会があったので、ざっくりと音楽知識を学ぶために西洋音楽史をまとめてみました。参考図書は『クラシック音楽全史』松田亜有子・著。本書は、クラシック音楽を楽しむために知っておくと良い知識、音楽の発展の歴史やその時代背景、作曲家の功績等を十分に学べる書でした。音楽史の入門書としておすすめできます。下記に本書から学んだ内容を年表にしてみました。古代:音楽の起源音楽は、自然の音から着想を得て、言語の持つ音韻から派生して生まれました。音楽の起源としては、最古の文明:メソポタミア文明まで遡ります。その遺跡からはハープや笛、太鼓等を奏でる人々の姿のレリーフが残されています。 紀元前520年頃、ピタゴラスによって初の音楽理論が提唱されます。これには現代まで繋がる「ドレミファソラシド」の発明が描かれていました。
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【書評】中野京子『印象派で「近代」を読む』の要約と考察/光のモネから、ゴッホの闇へ

印象派について、どんな”イメージ”を持っているでしょうか。やわらかい色彩、まるで光を映したのかというように明るく、自在で魅力的なタッチ。多くの共通認識はこうでしょう。しかし本書を読むと、その認識は少なからず覆されます。印象派の時代印象派を語るうえで外せないもの、それは時代です。印象派は現代ではごく当たり前に受け入れられ、世界中で愛好されていますが、19世紀後半のパリではそうではありませんでした。批評家からは皮肉交じりに酷評され、一般的な認識としては嘲りの対象でした。それも、かつてのパリの絵画の常識を考えれば納得は出来ます。当時は新古典主義の考え方が浸透しており、神話や重厚な歴史をテーマに描かれていました。粗のないきめ細かな仕上げ、写実的なデッサンによる美しさ、安定した構成が重要視されていました。それは印象派が掲げる技法や構図とは正反対のものだったのです。印象派とは、穏やかなイメージとは異なる、ある種の反逆性を秘めているのです。本書『印象派で「近代」を読む』は、印象派絵画の解説とともに、その時代背景においても深く言及されています。著者は本文中でこう語っています。
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【書評】原田マハ『楽園のカンヴァス』の要約と考察/絵を見る、ということ

もしも自らの大切な人が不治の病を患っていて、それを治す治療法が見つかったとしたら、あなたはどうするのでしょうか。多くの人は、その治療法に希望を託し、大切な人を助けようとするでしょう。どんな治療法でもいい、たとえ一縷の希望であっても、出来ることは全て試すのでしょう。それが大切な人の為になるのなら。この物語の両親もそうでした。虚弱児として生まれた主人公ちひろ。両親はちひろの為に病院を駆け巡り、治療法を探します。しかし、中々治療法は見つからず、ただ日々は過ぎていきます。
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