【書評】綾辻行人『水車館の殺人』の要約と考察/追想の殺人
綾辻行人による「館」シリーズ。その第2冊目がこちら『水車館の殺人』です。本書は過去と現在を行き来する構成が特徴的な作品でした。都市の喧騒から離れた場所に位置する、水車の音が響き渡る古城のような館そこに住まうは孤独な仮面の主人と、可憐な少女静かに暮らす彼らの日々は、ある日終わりを遂げますそれは惨劇の一日その日は一年に一度、4人の訪問者が現れる日次々と起こる不可解な事件に、館は恐怖で包まれますそして現在、あの日と全く同じ日付の一年後、あの日と同じように、館には4人の訪問者が現れましたあの日と同じ、惨劇の一日が、また始まる――過去と現在の同じ日を行き来して、謎を解き明かす新本格ミステリ中世の雰囲気を持つ館を舞台に、推理を楽しみたい方に是非おすすめします