
【書評】木爾チレン『みんな蛍を殺したかった』の要約と考察/みんな誰かを殺したいほど羨ましい。
スクールカースト最底辺のオタク女子三人と、誰もが羨む容姿を持つ美少女転校生の物語。物語は登場人物たちそれぞれの目線で進んでいき、丁寧に心情が描かれています。女子高生独特の無敵感、自分勝手に物事を捉える感じが見事に表現された作品です。ーーあなたは、誰かを殺したいほど羨んだことがあるでしょうか。登場人物のオタク女子3人は、自らの底辺な環境に絶望し、二次元の中の現実とは異なる世界に逃避するしかありません。そうすることでつらい現実から自分を守っていました。しかし、ある時自分とは全く違う、欲しいものをすべて持っている理想の人物が現れました。あなたはその人を羨まずにはいられるでしょうか。殺したいほどに、羨ましい...彼女が悪いわけではないのです。ただ、目の前に理想過ぎる人物が現れた時、存在を消さなければ”あなたの心が保てない”のです