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【書評】道尾秀介『きこえる』の要約と考察/あなたの「耳」が推理する | PLANETFORM

【書評】道尾秀介『きこえる』の要約と考察/あなたの「耳」が推理する

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こんにちは、lamです。今回は『きこえる』道尾秀介・著についてご紹介します。

内容紹介

本のあらすじ

あなたの「耳が」推理する。「音」が導く真相に驚愕する。
読者を1ページ目から未知の世界へ連れて行く。

謎が「きこえて」くる。
衝撃が、あなたの耳に直接届く。
物語×音声。小説を立体的に体感する、まったく新しい「謎解き」の新体験型エンタメ、誕生!

突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」。
家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」。
言えない過去を抱えた二人の男の「秘密の会話」。
夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」。
古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」。

私たちの生活に欠かせない「音」。
すべての謎を解く鍵は、ここにある。

※本作は、音声と小説を融合させた誰も経験したことのない「体験型ミステリ」です。小説を読み進めると、作中の様々なタイミングで「二次元コード」が登場します。そのコードを読み取り、音声を再生してください。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれる「音」です※

(講談社より)



本書は5篇から成る短編集であり、

どの作品にも音声を収録したQRコードが掲載されています。

この音声は物語の「音」

登場人物たちの会話、物音。

読者に語り掛けてくるこの「音」は、物語を推理するための鍵となり、真相でもあります


まだ見ぬ読書体験をしたい方に是非おすすめします。


こんな人におすすめ

文章と音声を掛け合わせた異色のミステリに興味がある人

リアリティのある読書体験をしたい人

普通の読書体験に飽きてしまった人


著者紹介

著者である道尾秀介(みちお・しゅうすけ)さんについて、

1975年東京都出身。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。2007年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、2009年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、2010年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、2011年『月と蟹』で直木賞受賞。その他の小説に、『向日葵の咲かない夏』『貘の檻』『満月の泥枕』『風神の手』『スケルトン・キー』『いけない』『カエルの小指』等、多数の著書があります。

作風としては、新しい読書体験を追求し続け、今までにない技巧を凝らした作品が多いです。






※以下感想・考察。内容についてネタバレを含んでいます。未読の方はご注意下さい。

『きこえる』の感想・考察


文章と音声を掛け合わせた異色ミステリ


本作は、文章と音声を掛け合わせた異色のミステリです。

表題作『聞こえる』は、登場人物と同じ音声を読者に聞かせることで、まるで物語の登場人物になったかのような感覚を味わえます。

『にんげん玉』は、文章を読んだ時に思った物語の真相が、音声を聞く事でひっくり返りまし

『セミ』は、音声の遠近感を上手に利用し、一つの音声で二つの解釈を生み出しまし

『ハリガネムシ』音声の絶妙なゆらぎによって結末が推理出来る仕掛けになっています。

『死者の耳』は、物語の答え合わせが、音声を聞く事によって察せられるようになっていました。

物語における音声の効果は、どの話もとても良く考えられていると思いました。



ただ、正直な感想を述べると私には少し合いませんでした。

収録されている音声を聞く事で謎が解ける、という仕掛けは面白く、

全五篇それぞれ仕掛けが違う、という点も飽きさせず楽しく読めたのですが、

個人的には、文章は文章だけの方がより楽しめると思いました。


それは何故だろうと思い考えた結論としては、

途中で音声を挟むことによる、

《読書のテンポの崩れ》が問題なのだと思います。


通常小説を読むときは、自らのテンポで、頭の中で世界観を創り上げ没入しながら読むかと思います。

緊張するシーンはゆっくり、盛り上がるシーンは力強く、等。

しかし音声を挟むことで、そのテンポは狂わされました

まず本書では音声を聞くためにQRコードを読み込むのですが、

文章を読んでいる間に行うその行為が少し面倒くさい

そしてQRコードのリンク先がyoutubeの為、音声を聞く前に広告が挟まれることが小説のノイズになっています。

収益化のために仕方ないのかもしれませんが、欲を言うならば広告は表示されないようにして欲しかったです。

シリアスなシーンで急にポップなCMが流れると、物語に没入できません。(※YouTube Premiumに入ればいいという意見は、入っている人が全てではないと思うので適していません)


本当に個人的な感想になるとは思いますが、

やはり小説は文章だけで表すのが最適なのかもと感じた一作でした。





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