【書評】雨穴『変な家 2 ~11の間取り図~』の要約と考察/家を見ると、そこに住む人間の本質が見えてくる

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こんにちは、lamです。今回は『変な家 2 ~11の間取り図~』雨穴・著についてご紹介します。

内容紹介

本のあらすじ

雨穴最新作!『変な家』第2弾!
14万字超、完全書き下ろし!


あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか?
前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが
不可解な間取りの謎に挑む。
1「行先のない廊下」
2「闇をはぐくむ家」
3「林の中の水車小屋」
4「ネズミ捕りの家」
5「そこにあった事故物件」
6「再生の館」
7「おじさんの家」
8「部屋をつなぐ糸電話」
9「殺人現場へ向かう足音」
10「逃げられないアパート」
11「一度だけ現れた部屋」
後編「栗原の推理」


すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する!

(飛鳥新社より)



間取りから違和感を見出し、謎を解く新感覚ミステリ第二弾『変な家 2』。


Youtubeの雨穴さんのアカウントにて、本作の資料①行き先のない廊下 の動画版もアップロードされているので、

そちらも必見です!


前作『変な家』も是非。




家を見ると、そこに住む人間の本質が見えてくる。


家の間取りは、一般的にそこに住む人間が使い易いように設計されます。

その人の生活スタイルや習慣、

好みや趣向が反映されて、間取りはつくられるものです。


しかしごくたまに、普通に生活を送るには不便な、不可解な間取りも存在します。

例えば「行先のない廊下」とか――。



そんな不可解な間取りを収集したのがこの本。

本書は、著者本人である主人公“雨穴”さんによるインタビュー形式で、

不可解な間取りに隠された謎を解き明かすモキュメンタリーです。


大抵のものには理由があります。

“それ”がつくられた意図があるはずなのです。

その意図を読み取ったとき、そこには恐ろしい真実が浮かび上がってきます。



こんな人におすすめ

間取りミステリが好きな人

リアリティのある作品が好きな人

違和感が好きな人


著者紹介

著者である雨穴(うけつ)さんについて、

ウェブライター、ホラー作家、Youtuber。本名や素顔を隠した覆面作家。その他の小説に『変な家』『変な絵』等の著書があります。

『変な家』は、2024年に間宮祥太朗、佐藤二朗主演で映画化しています。






※以下感想・考察。内容についてネタバレを含んでいます。未読の方はご注意下さい。

『変な家 2 ~11の間取り図~』の感想・考察


雨穴さんによる『変な家』の第二弾

『変な家』は、初めてYoutubeで動画を見た時とても衝撃を受けた作品だったので、

第二弾の書籍化もとても楽しみでした。

間取りが謎に関わってくるミステリは今までもあったけれど、

間取り自体から謎を読み解くというその手法は、当時とても目新しく感じられました。


恐らくモキュメンタリーに分類される本書は、

作中の事件がまるで本当にあった出来事かのように臨場感を持って語られます。

紹介される11の間取りは実は関係があり、

最終的に1つの真実に繋がるという構成も良かったです。

(1つだけ、全ての話が繋がっているという視点で見ると、「そこにあった事故物件」だけは、なんでヒクラハウスは宗教上の目的である再生の館を模した家をたくさん作るのではなく、殺人衝動をもたらす家を作ったのかという謎が残りもやもやとしてしまいましたが。この章で伝えたいのはあくまでもヒクラハウスの異常性だからなのでしょうか…。)


それでも1つ1つの章を見ると、謎解きの読み物としてしっかりと成立しており、

丁度いい難易度で謎解きを楽しみながら読み進めることが出来ます。

11の間取りは全て違う謎があり、飽きずに最後まで読めたのも良かったです。

インタビュー形式なので小説を普段読まない人にも読みやすいのではないでしょうか。


ただそれぞれの結末は少し後味悪い風味ですから、

子供とかが本書を読んだときに悪い影響を受けないか少し心配です。




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