【書評】伊坂幸太郎『逆ソクラテス』の要約と考察/敵は、先入観。世界をひっくり返せ!

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こんにちは、lamです。今回は『逆ソクラテス』伊坂幸太郎・著についてご紹介します。

内容紹介

本のあらすじ

「敵は、先入観だよ」学力も運動もそこそこの小学6年生の僕は、転校生の安斎から、突然ある作戦を持ちかけられる。カンニングから始まったその計画は、クラスメイトや担任の先生を巻き込んで、予想外の結末を迎える。はたして逆転劇なるか!? 表題作ほか、「スロウではない」「非オプティマス」など、世界をひっくり返す無上の全5編を収録。最高の読後感を約束する、第33回柴田錬三郎賞受賞作。

(集英社より)



著者は本作のことを、「デビューしてから二十年、この仕事を続けてきた一つの成果」と語っています。




本書は5篇から成る短編集

小学生が主役の、子供たちが体験する世界を描いた作品です。

なので小学生ならではの純粋な疑問や、ユーモアあふれた機敏が際立ちます。




先入観を覆す

逆ソクラテスは全編にわたり、「先入観を覆す」ことをテーマに置いています。


子供のころ、大人たちが言っていることは全て正しいと思わされていた気がします。

少なくとも、私はそうでした。

しかし果たして本当にそうなのか、大人になったときに思い返すと、必ずしもそうではなかったようにも思います。

でも、何が正しくて何が正しくないのか、子供には判断することは難しいです。

ではどうするのか、その判断の指針を本書ではこう語っています。


大切なのは、自分がどう思うか

何かおかしい、と思ったら、先入観を捨てて、その違和感を信じてみましょう



「僕は、そうは思わない」




そう唱えてみると、"何か"が変わるかもしれません。



インタビューで伊坂さんも語っていますが、

この短編集は特に人間関係において、悩んできたこと疑問に思うことの解決策が描かれているように思います。

人との付き合い方や、自らの心を守るための心構え

これからの人生を生きる上で、本書の内容は支えになるでしょう。

この短編集は、特に子供にたくさん読んでほしいなと思います。



こんな人におすすめ

いま小学生の人

逆転劇ですっきりとした気持ちになりたい人

人生の助言が欲しい人


著者紹介

著者である伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)さんについて、

1971年千葉県出身。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞(短編部門)、08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞・第21回山本周五郎賞、20年『逆ソクラテス』で第33回柴田錬三郎賞受賞。その他の小説に『重力ピエロ』『マリアビートル』『夜の国のクーパー』『キャプテンサンダーボルト』『777トリプルセブン』等、多数の著書があります。

作風としては、軽妙なストーリー展開伏線回収の美しさが際立ちます。また、同姓同名の別人格が複数の作品に登場することが多く、作品同士がリンクしている風に感じることも特徴です。



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