【書評】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』の要約と考察/愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か
殺人の舞台は別荘地。別荘を所有するセレブたちによるパーティが行われたその晩、連続殺人事件が起きる。転じて舞台は別荘地近くのクラシックホテル。レストランで優雅に食事をとる若い男性は、自らを別荘地の連続殺人犯だと名乗った。しかし彼は、事件の詳細は語らず、黙秘を貫く。この殺人は無差別なのか、それともセレブ達に対する怨恨なのか。不甲斐ない警察の捜査に納得が出来ない被害者家族たちは、独自に事件の真相を解明するため、『検証会』を開く。刑事・加賀恭一郎は、ふとしたきっかけで被害者家族の一人と知り合い、『検証会』に探偵役として参加することとなった。犯人が最後に現れたクラシックホテルの会議室で、事件の全貌は紐解かれてゆく。