
【書評】東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』の要約と考察/全員役者、全員容疑者
物語は一通の手紙から始まります。ある「閉ざされた」雪の山荘に集められた役者たち。山荘は記録的な大雪のせいで、外に出ることも叶いません。また、雪の重みで電話線が切れ、連絡手段も交通手段もありません。役者たちは隔離された山荘に閉じ込められてしまいました。雪は依然として降り続け、救助は来ません。そんな中、最初の殺人が行われてーー―という〈設定〉の物語です。実際には閉じ込められてなどいません。手紙のなかで、まるで閉じ込められたかのように振舞えと指示されただけです。これは言うなれば舞台稽古です。殺人も起きません。―かと思っていた。