
【書評】萩原規子『西の善き魔女④世界のかなたの森』の要約と考察/はるか南の地へ、そこは竜の住む森
闇に消えたルーンを追い、フィリエルは竜騎士団と共に竜の住む南の地へ。第一巻のセラフィールドでの舞踏会から、女学校編、王宮編から竜退治編と、壮大な物語になってきました。それでもフィリエルの想いは変わりません。闇に堕ちていくルーンを守るために彼女は行動します。そして第四巻から、散りばめられた伏線が回収されつつあります。しかし新たな謎も。竜とはなにか、女王試金石の秘密、世界の果てには何があるのか。それを知るフィーリ(賢者)とバード(吟遊詩人)とは。また、本作の闇の組織、蛇の杖(ヘルメス・トリスメギストス)の正体とは――。本編はあと1巻で完結するそうですが(残り3巻は外伝)、はたして回収出来るのでしょうか…。そして、遂にフィリエルとルーンは想いを通わせます。特にルーンの言葉、「きみはぼくが、研究第一だと思うかもしれないけれど、きみのいない世界というのは、謎を解くだけの価値もないんだよ」はフィリエルと共に私の胸にも刻み込みました。