【感想】『西の善き魔女④世界のかなたの森』 -はるか南の地へ、そこは竜の住む森

萩原規子・著


竜の被害に悩む隣国の要請を受け、伝統ある竜退治の騎士がグラールを発った。あかがね色の髪の乙女フィリエルは騎士を守ろうと心に誓い、ひそかに後を追う。しかし胸の奥には消えた幼なじみルーンへの想いが秘められていた。——母国のはるかに南の土地で、竜騎士団とフィリエルが出会ったものとは!? 長篇ファンタジー、南方冒険篇。

(中央公論新社より)

感想



闇に消えたルーンを追い、フィリエルは竜騎士団と共に竜の住む南の地へ。




第一巻のセラフィールドでの舞踏会から、女学校編、王宮編から竜退治編と、壮大な物語になってきた。

それでもフィリエルの想いは変わらない。

闇に堕ちていくルーンを守るために彼女は行動する。


そして第四巻から、散りばめられた伏線が回収されつつある。しかし新たなも。竜とはなにか、女王試金石の秘密、世界の果てには何があるのか。それを知るフィーリ(賢者)とバード(吟遊詩人)とは。また、本作の闇の組織、蛇の杖(ヘルメス・トリスメギストス)の正体とは――。

本編はあと1巻で完結するそうだが(残り3巻は外伝)、はたして回収出来るのだろうか…。このまま突き進みたい。


そして、遂にフィリエルとルーンは想いを通わせる。特にルーンの言葉、

「きみはぼくが、研究第一だと思うかもしれないけれど、きみのいない世界というのは、謎を解くだけの価値もないんだよ」

はフィリエルと共に私の胸にも刻み込んだ。素敵すぎる。

物語を通してずっとルーンが愛おしい。



次巻はどうやら外伝?っぽい。アデイルの外交物語。砂漠の向こう、オアシスの街へ。

※中公文庫版と角川文庫版では出版順が異なるみたい。中公版は第五巻がアデイルの外伝(時系列順)、角川版は本編の後にまとめて外伝(アデイルの外伝は外伝➁)。

フィリエルの冒険の裏でアデイルも女王になる為頑張ってる。アデイルの人柄も大好きなので、次巻も楽しみ!


著者紹介

著者である萩原規子(おぎわら・のりこ)さんについて、

1959年東京都出身。『空色勾玉』でデビュー。2006年『風神秘抄』で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞受賞。その他の小説に、『RDGレッドデータガール』シリーズ『あまねく神竜住まう国』『荻原規子の源氏物語』完訳シリーズ等、多数の著書がある。

作風としては、ファンタジー色の強い児童文学を多く執筆している。

『西の善き魔女』は、月刊コミックブレイドにてコミカライズ、2006年にはアニメ化されている。



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